大量生産方式の多品種生産は、できる限り多くの製品を生産し、在庫で受注に対応しながら別の製品を生産することで成立しています。そのため品種が増えれば在庫も比例して増え、莫大な数を抱えることになります。作れば作るだけものが売れ、在庫が資産として価値を約束された時代は終わりました。過剰な在庫は、経営を圧迫するリスク要因であるという認識が広がりつつあります。旧式の多品種生産は通用しない時代になったと言わざるを得ません。
ベビーカンガルーシステムは、治具交換にかかる時間を短縮し、品種・生産量のフレキシブルなコントロールを可能にします。これにより、受注に応じて必要な品種を必要な数だけ生産する体制（多品種変量生産体制）が整います。多品種の受注に対して、即時生産で応えていくので、在庫を大幅に削減することができます。
大量生産方式の多品種生産は、工程数が多く、品種変更に時間がかかるため、受注から出荷までのリードタイムが長期化する傾向にあります。また前述の通り、多くの在庫を備蓄して受注対応するので、投資回収までの期間は長くなります。
ベビーカンガルーシステムは、受注状況に応じた生産、工程集約によるセル生産、大幅な在庫削減を実現します。その結果としてリードタイムが大幅に短縮されます。小回りのきく生産体制によって、資材・設備などへの投資を回収するサイクルが早まり、投資回転率が上がる。キャッシュフローの向上にまで寄与する力を、ベビーカンガルーシステムは秘めています。
費用対効果の高い加工ラインで、投資額を削減します。品種追加・多品種対応が可能なベビーカンガルーシステムを搭載したラインは、品種追加時の投資を抑え、費用対効果の高い多品種対応システムを実現します。
従来方式で多品種生産を行う場合、段取り替えロスを防ぐためには在庫を増やして段取り回数を減らすか、段取り替えの生産停止時間を機械追加と在庫増の両方でカバーする必要があります。品種が増えればその分の在庫が増すというのがこれまでの常識でした。多品種生産にベビーカンガルーシステムを組み入れることで、迅速・正確な段取り替えが可能となり、在庫を増やさずに生産計画に応じた品種替えを実現します。